ドッグフードには、犬の食いつきを上げたり保存できる期間をのばすために、カモミールやクランベリーなどのハーブを使用することがあります。主に、人工添加物を含まないプレミアムドッグフードに含まれていることが多く、ワンちゃんの健康をサポートする原材料として活躍しています。

 

こちらのページでは、ドッグフードに含まれるハーブの効果や考えられるデメリットについてまとめていきます。

 

ハーブ別の具体的な効果は?

ドッグフードに含まれることの多いハーブについて、その特徴と効果をご紹介します。基本的にはそのまま与えても大丈夫ですが、事前にアレルギーチェックを行ってから与えるようにしましょう。

 

バジル

バジルには精神的な疲労やストレスを軽減する効果があるとされ、昔から長い間使用されてきたハーブです。また、抗菌作用の高さから風邪をはじめとした細菌性の病気予防にも効果的。

 

ローズマリー

チキン料理に使われることの多いローズマリーですが、落ちた気分を高める効果からうつ病対策としても利用されています。その他、心臓の筋肉強化、アンチエイジング効果など。

 

マリーゴールド

視力低下や白内障など加齢による目の衰えをカバーするルティン、がん予防、老化防止効果を持つカルテノイドを含むマリーゴールド。白血球の生成を活性化する働きから、免疫力を高める効果も期待できます。

 

クランベリー

クランベリーに含まれるビタミンCはリンゴの約6倍といわれるほど。ビタミンCには、アレルギー因子の働きを弱めたり、尿路結石を予防する効果があるとされています。その他、抗がん作用のあるフラボノイド、感染症予防効果のあるアントシアニンも含まれます。

 

カモミール

カモミールには、筋肉の組織を落ち着かせる働きがあり、腹痛や胃痙攣を緩和し気持ちをリラックスする効能があります。消化器系の粘膜の炎症を抑える効果もあるので、消化・吸収のサポート、口臭予防としても活躍します。

 

ハーブの保存料効果
ハーブにある抗菌作用・酸化防止作用が保存料の役割を果たすことで、合成保存料を添加せずに品質を保つことができます。


ハーブ使用のデメリットは?

ハーブはワンちゃんにとってプラスに働く面もある一方、デメリットもあるのでご紹介します。

 

ハーブの匂いが苦手なワンちゃんもいる

ハーブの香りをかいだことがある方はご存知だと思いますが、少量で強い匂いを放つものが多く、その香りは独特です。そのため、ワンちゃんによっては肉よりもハーブの香りの方が強い場合、食べないことがあります。切り替えるときには、ハーブの量が少ないものから始めると良いでしょう。

 

ハーブによっては与えてはいけないものもあるので要注意

特に手作りドッグフードを与えている飼い主さんに注意していただきたいのが、毒性を持つハーブの添加。下記のハーブは、毒性の可能性が知られているため、使用する際は、専門家や獣医に相談するようにしてください。

 

ニンニクはドッグフードにも使われる素材で、犬の健康に役立つ側面もあるため、少量であればOKだといわれています。

 

アルニカ(ウサギギク)

キク科の多年草。アルニカオイルは主に、ボディオイルとして使われますが、毒性があるものなので口からの摂取はできません。食用として出回っているものでもないので、誤飲する心配もないかと思います。

 

ガーリック(ニンニク)

ニンニクは、玉ねぎと同じユリ科のネギ属の植物で、辛み成分として知られる硫化アリルが含まれています。疲労回復や滋養強壮効果があるためある分量までなら必要な素材だといえますが、多く摂取しすぎると中毒を起こすことがあります。

 

ギンキョウ(イチョウ・銀杏)

イチョウから採れる実のことで、ギンコール酸の毒性をもつとされています。少量であれば食べても問題ありませんが、食べすぎるとビタミンB6欠乏症になり、嘔吐、下痢、呼吸困難を起こすといわれています。人も過去に死亡例があります。

 

エフェドラ(マオウ)

中国で漢方として昔から使用されている成分。喘息や気管支炎に効果がある成分ですが、副作用が強く、一度に多く摂取することで突然死を招くことがあります。日本国内での流通はありませんが、海外サイトからの購入は可能なので注意が必要です。

 

コンフリー(ヒレハリソウ)

ムラサキ科ヒレハリソウ属の多年生草木。ヨーロッパで抗炎症薬や骨折治療のために使われていた素材で、ドッグフードに使用されることもあります。大量に摂取すると肝障害を起こすことが報告されていますが、ニンニクと同じく量を守ることで回避できます。

 

ロベリア(ルリチョウソウ)

キキョウ科ミゾカクシ属の多年草。のどの不快感を取り除く効果があり、喘息対策として使用されています。最近では、禁煙サポートサプリメントとしても人気がある素材です。

 

アルカロイド毒成分を含むため、吐き気や心臓麻痺を起こすことも。良く植えられている光景を見ますが、散歩中などにワンちゃんが口にしないように注意しましょう。

 

ペニーロイヤル(メグサハッカ)

シソ科ハッカ属の多年草。ミント特有の香りがあります。ハーブティとしてよく使われるペニーロイヤルですが、ヨーロッパでは、妊娠中絶効果のある薬草として使用されていました。精油としての使用では、嘔吐、発心などが報告されています。

 

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)

リラックス効果を持ちうつ病にも効くとされるセントジョーンズワート。日本のドラッグストアやコンビニでも購入することができます。賛否両論ありますが、継続的に摂取することで、めまい、嘔吐、パニック発作、記憶喪失、攻撃性強化などの副作用が起きると言われています。